関東走り納め(後編)
といいつつ、今日は実は関東地方ではない(←遠くの方用の説明す)伊豆を走ることにした。
二宮〜下田の手前
二宮から早速西湘バイパスに乗り西へ。晴れた日曜の朝でバイクもちらほら出ている。国府津のPAにはいつも通りバイクが溜まっているようだ。万が一にも知り合いはいないだろうけどなあと思いつつも、一応入ってみた。
知ってるバイクはない。さいなら。止まらずに国府津は出る。
真鶴まで来ると、どうもクラシックなスポーツカーが続々と向こうからやってくる。なんかそれ系のイベントがあるみたいだ。
ああいうのって、芦ノ湖スカイラインあたりでやるイメージがあるけど、どうだったんだろう?
それが当たりだとすると、芦ノ湖スカイラインから椿を下りてきたのかな?
どうでもいいんだけど、車が多くてペースの上がらないこの区間でそれなりに目を楽しませてくれた。
絶好のオープン日和でよかったねー。
その後、伊豆の東側はずっと混んでる。予想通りの展開ではあるけど、今回はこれでいいやとチンタラ走る。
でも今日も寒いのね。
バイクは結構出てる。ありがちな20集団。ハーレーの偽POLI軍団はもちろん、ソロのBMWが結構いる。あとなにげに多いのがビッグスクータータンデム。
ビッグスクーターってなんであんなに質悪いんだろう?
黄色線な渋滞路で、反対車線から堂々と抜くのってほとんどビッグスクーターだね。
いい加減な性格の人が選ぶ車種って、お気楽路線に偏るからしょうがないのかな。
80年代のワンボックス、90年代前半のRV、後半以降はSUVあたりが似たような系統か。4輪だけど。
しかしやっぱり寒いね。朝飯喰わなかったので体温も上がらない。ああ宜しくない生活習慣だ。
かといって、ここまで来てコンビニでもないよなあ。
時間も半端なので、早い昼飯時までは我慢して美味いもん喰いたい。
手がかじかむ。そして悪魔の囁き再び。
グリップヒーター
うう、グリップヒーターあったら幸せだよなあ。そうでなくてもGTSってなんでこんなに熱が上がってこないんだろう?
そう、GTSは
夏でも涼しい(当社比)
ビッグバイクなのだ。うそ。そこまで涼しくはないけど、他の同クラスのビッグバイクに比べたら格段に熱が上がってこない。タンクもカウルの中に収まってるし、前傾GENESISエンジンで余計熱源が離れている。エアクリーナボックスなんかで上面と隔離されているので、熱が伝わるところが無いのだ。
夏は別の意味で暑い。スクリーンが高くて、全然風が当たらないのね。バイクはだいジョブでも、人間様がさきにオーバーヒートしそうなのだ。
夏のトンネルなんかで、わしが立ち上がって乗ってたら、それは体を冷やしてるのね。
話がそれた。今日は寒い。
よく、止まったときにエンジンに手を翳して暖を取るじゃあないですか。GTSだと、唯一ラジエータからのエアを抜く穴が土手っ腹に開いてるんだけど、そこに手を突っ込んでもそんなに暖かくないのだ。
それなのにしっかりファンは回っていて、不用意に手を突っ込むとブビビとやられる。
でもやらないよりは増しなので手を突っ込みたい。
でも、見栄っ張りなわしには、できませんでした。昨日はできました。何でか。
周りにBMWがいっぱいいる
くそー、BMWて最初からグリップヒーターついてやがるじゃないですか。
そんなやつらの前で、エンジンに手を翳すなんていう醜態は、正統派GTS乗りとして断じてできません。
なんてね。てへ。
これで純正じゃなくて後からグリップヒーター付けようもんなら、負けを認めたようなもんじゃあないですか。わしは、付けませんよ。やせ我慢します。武士は喰わねど高楊枝なりです。
あほくさ。
や、ほんとにツーリングばりばりできる状況なら迷わず付けるんだけどねぇ。どうしても乗る回数が減ってきてしまっているので、それならそれでできるだけノーマルに近い状態にしておきたいってのもあるのよ。
希少なやつほど、ノーマルであることに意味があると思いませんか?
まあ、そんなこんなで、げろ混みの東伊豆も大分進み、時間は11:00、もう少しで下田って辺りまで来ました。ちょっと雲が出て、寒さ倍増。
ここいらで早い昼飯にしたいところです。
凌(しのぎ)
街の途切れた小高いところにありました。「鮮魚料理」の幟がある食事処。
場所も時間も半端なので、客はいない模様。もうすぐ下田の街だけど、下田まで行ってしまったらかえって飯屋を選び損ねそうなので、ここにはいることにした。
民家の玄関的な入り口。というかそのまんま民家みたい。
玄関は開いているけど、入っても人気が無い。
少し待っていると、おばさん(おばあさんというにはちょっと若いかな。わしのお袋くらいか)が出てきた。
わし「ひとりなんすけど、ええすか?」
一番海側の部屋に通された。板の間で、両側に御膳が並んでる。高台から海が良く見える。
おばさん「寒いからね、今暖房付けたからね」
ひー、部屋暖かくないんすかー。仕方ないです。暖かくなるまでの辛抱です。
鯵のタタキの定食を頼むと、意外なことに殆ど待たされずに出てきた。
まさか作り置きってことはないよね。さすがに時間が時間だから、丁度仕込みは完了して準備万端だったんだろう。
鯵のタタキは、紛れも無く裁きたてだった。茶碗蒸しと、吸い物がついてる。これは頼まれてから作るもんじゃないもんなあ。
美味いっすー
ああ本当に新鮮な鯵のタタキ久しぶり。
吸い物がまた美味かった。
わし「この吸い物に入ってるのは何すか?」
おばさん「どんなのが入ってる?赤いの?」
わし「(おーい!)ええ、赤っぽいです。こんなの」
おばさん「それは、烏賊のつみれよ」
へー烏賊なんだー。いわれてみればイカの味。すごい。こんなのもあるのか。
ご飯の御代わりもしてくれて、大満足の食事。まあ値段も安くはないんだけど。
そのままおばさんとしばし雑談。たばこのこと、転勤のこと、川崎のことなんかで結構長いこと喋ってた。
なんでもおばさんもこの家の人もヘビースモーカーで、姪御さんの旦那が商社で頻繁に転勤しており、おばさん自身は昔川崎駅の側に住んでたことがあるとか。
そうこうしているうちに、また日が射してきて、じゃあぼちぼち、と出発。また伊豆にこれる日が来たら寄らせてもらいます。
下田〜石廊崎〜波勝崎
下田を過ぎると、車は居なくなり、かなりハイペースで進めるようになってきた。心地よいワインディングが続く。
そして密かに初めての石廊崎へ。
先は長いらしい
道を下りきると駐車場があり、そこから岬の先へは徒歩で大分登らなきゃならんようだ。知らんかった。
ここで歩いてもいいんだけど、1時間近くロスすることになるなあと思い、パス。走りに重点を置くことにした。
石廊崎を過ぎて西側も快適なワインディングが続く。冬眠後のリハビリとは思えないくらいペースが上がってきた。でもステップが接地しそうな感触はない。
イケイケモードのM3を追い回し、ぶっちぎると、結構速いクラウンRSを追い回す赤いオープンのコルベットに追いついた。
コルベットのドライバーはホスト風の男。そして右側にはそれなりの女。
コルベットは右へ左へと派手に進路を変えてコーナーをクリアしていくが、抜く場所を探している風でもない。ああしないとうまく走れない車なのかな。前のクラウンも嫌だろうなあ。とか思いつつも、わしもしっかり腰が落ちて。ぴったりとコルベットに着いているのであった。
どこでも抜けるほどの余裕はないし、抜けそうなところでは黄色線、白線になると対向車が来るとかで、結局ずっと抜けず。かといってストレスが溜まるでもない適度なペースが続く。
しばらく行くと
[R136←]
という表示が。そしてまもなくそれらしい分岐。
ここでクラウンは迷わず左折。コルベットはちょっと急ブレーキ気味で迷い、抜いてもいいのかなと右に出て様子をうかがうがコルベットは手を挙げてわしに謝り、左折していく。
わしも続いて左折。
あれ?あれあれあれ〜
なんか予想以上に左に回り込んでいく。ほとんどUターン。
これ、違う道じゃあ?
と振り返ると、ビンゴ!
[R136←→R136]
がーん、外れてしまった。まあ、これもまともな道だし、海側を通ってまた国道に戻る道だろうと安易に考えて先に進み、またコルベットに追いついて追い回していたら、
行き止まりでした
ずこ。波勝崎だそうです。野生のサルがいっぱい居るところみたいです。大きな駐車場から先は、金払ってマイクロバスで行くようなところです。だめだこりゃ。
クラウンRS(←もちろんロイヤルサルーン)から下りてきたのは、自営業(飲食店経営)風のおやじと連れ。別にコルベットに腹を立ててる風でもないが無視。
コルベットは、通路に止めてしまって駐車場のおやじに怒られ、派手にスピンターン(失敗。地味にちょっと滑っただけ)して駐車位置を変えてる。
わしは・・
猿に用はねえなあ
ってんで帰ろうにも、いかにも
間違えて来ました
的で【わるい】ので、余裕をかまして一服。
飲食店経営おやじやホスト風の男が入場したころ戻ってみた。
断崖に挟まれた海はそれはそれで絶景。
下には「あれが猿かな」くらい小さく黒い固まりが一応、見えた。
密かにコルベットも間違えて来たんじゃないかと思うんだけどね。いかにも猿なんか好きそうじゃないし。
西伊豆スカイラインとか
波勝崎からもぼちぼち快適に流し、土肥まで着いた。そのまま海沿いを抜けて沼津に出て帰るってのを最初は考えてたんだけど、ここまできたらこの先は
こないだ
通ったところ。道が快適なのは想像が付くけど、他の道走ろうかなと考えた。
密かに、昨日〜今日はかみさんが大学時代の同期な友人と熱海で遊んでいるわけで、彼らは全員わしも良く知ってる後輩なので、ちろっと顔出そうかなと思いついたので、また東側に抜けることにした。
地図見ると、魅力的なのは西伊豆スカイライン。その後大仁、韮山へ抜けて富士見パークウェイ、伊豆スカ熱海峠かなと。てゆーか選択肢ないじゃん。決定。
道路脇には雪が残り、一部湿ってるコーナーもあるもののまだ日は十分残っていて凍結の心配はなさそう。それなりのペースを楽しむことができた。西伊豆の方が(伊豆スカ比)路面は悪いけど、雰囲気はいいね。磐梯吾妻スカイラインをちょっと思い出した。
駿河湾が開けたところで、思わず止まった。
こういう雰囲気好き。
そのまま修善寺へ下る。ゴルフ場そばの道ってどうも好きになれない。
真ん中の街道は混むので修善寺道路へ。という手前で、
族車に遭遇
若造が乗ってる1台だけ。寒いのにご苦労さんです。反対車線を走っていって、前方の交差点で止まった。や、信号待ってるだけ。律義に信号で止まってるようじゃマダマダだね。わしもすり抜けて先頭まで出てみた。
ハンドル絞って、ナンバー跳ね上げてあるけど、びっくりするほど奇麗な(状態の良い)FX。これまた奇麗なカカァ管が着いてる。
うわんわんわんうゎうゎうゎんおんうおおん・・・
威勢良く空ぶかしするけど、発進するでもなきゃ、こっち見るでもない。
ふーん、もしかしてわしって恐い? ちみ、びびってる?
信号青になって、ヤン僧は発進。わしは左折して修善寺道路へ。さいなら。
渋滞です。
がーん。全然すすまねーでやんの。すり抜けできる幅はあるけど、どんくさいCD750が痞えで抜けらんねー。そんなこんなで、伊豆中央道長岡北。降りてみた。
R404の標識を見るとどっちに行っても見当外れの方角っぽい。道端で地図を見てたら、
さっきのFXが来ました
長岡方面からR404を走ってきて、彼は伊豆中央道に乗り南へ向かいました。
同じ速さだったのね
さすがに、混んだ街道では、多少なりともキレた追い越しをする彼の方が早いか。ま、どうでもいいんだけど。
富士見パークウェイ〜熱海
道は間違ってないはずなんだけど、
[↑富士見パークウェイ]
なる表示が行けども行けども出ないね。結局予告無しに富士見パークウェイに入ってしまった。これって県道なのね。
てか、不親切だぞ静岡県。そうでなくても、静岡の交通行政にはちょっと疑問があるんだよね。やたらにある黄色の点滅信号とか、どうもインターフェイスが他県と統一されてない感じがしていかん。
料金所のおっちゃんは、人のよさげな感じで
「上の方、寒いよー」
って教えてくれた。「へいどうもです。西伊豆とか通ってきたんで大じょぶすー」とか答えてたら驚かれた。なんでや。普通じゃろ。
途中でヤン僧のスクーター軍団に囲まれてしまったカップルの車が降りてきてすれ違った。可哀相に。
んで、玄岳から伊豆スカで熱海峠まで。伊豆スカ、道は奇麗だけど車が多くてだめだね。最後は料金所渋滞。すり抜けていくとバイクの大軍に追いつく。どうも大軍が奇妙なオーラを放っている。
よく見ると、
MOTO GUZZI軍団でした
ショップのツーリングかなんかみたいだ。そういえば少し後ろにGUZZI印のトランポが走ってたな。
今まで、ツーリングのときトランポが居たら便利だなとか思ってたけど、こう言うの見てると、なんかバイクだけでは自己完結できない半端モノ軍団みたいでかっちょ悪く感じてしまった。
わたしらのマシンいつぶっ壊れるかわかりません。
て言ってるように見えちゃった。偏見だけど。
熱海峠から、みんな十国峠方面に向かうところを、1台だけ左に曲がって熱海方面に下り、ぼちぼち町よというところでかみさんに電話してみた。
天城から伊豆スカ乗って、今、冷川あたり。
ずこ。
そら、ずっと熱海にいるわけないか。
襲撃宣言をして、また熱海峠に登る。
登りは工事中(休止)で、縦に半分だけ舗装が剥がされてるひどい道。ラインが選べない。
その上、車に詰まってしまったので、余計ペースが狂ってラインをトレースするのが厳しくなってきた。
そんなあるコーナーで、ギヤがローまで落ちてしまって、立ち上がりでラフにワイドオープンすることになったら、丁度段差を踏んで、
ぽこん、ジャッ
あれ?今前輪変な方に動いた?なんか着地したような感覚。
もしかしてフロント浮いたのかしらん。
今度は何も無いところでガバッと開けてみた。
ぽこん、ジャッ
もう一度。
ぽこん、ジャッ
おおー、1mmぐらい離陸するね。GTSでもこんくらいのパワーはあるのかー。ちょっと新しい発見。
でもそれ以上は上がらない。クラッチまで使えば多分もっと上がるんだろうなーと思いつつも、恐いからやめとく。
何も小細工しない全開でフロントが浮くか浮かないかってことは、素直に一番効率の良い加速度が得られてるってことかい? なかなかやるじゃない。> GTS
そんなこんなで、また熱海峠に着いた。
もうすぐ暗くなってくるころ、寒い。
仕上げ
また金払って伊豆スカはいるのもばかばかしい。Uターンして戻って渋滞にはまることまでわかってるのに。
さみーのでなんとか暖をとりたい。ふと前を見ると、なんか白いごみが飛んでいる。ふーん。綿毛みたいの。なんかこの時期に飛ばす植物があるんかなーとボケたことを考えつつ、辺りを見回すと、あっちもこっちも飛んでる。これはなんか見たことがある後継だぞ。そうだ。
ケサランパサランだ
一瞬まじでそう思った。んなあほな。すぐ気づいた。雪でござんす。さみーわけだ。
自販機あるじゃねーか。こーいう時はココアとかが欲しいぞ。やっぱり売り切れだがーん。
コーヒーでいいや。なんかジョージアしかないぞ。超ショート缶の高級そうな奴ならせめて美味いかな?
鬼のように(死語)まずーい!!
くそーこんなことなら握って幸せなロング缶買えば良かった。
バイクの方が暖かいかな。タンクもシートも暖かくない。どこか暖かいところはないのか? あった。
マフラー
だめ。熱すぎ。目玉焼きができるぐらい熱い。これだから触媒付きはぶつぶつ。
そうだ排気ガス。うーん生ぬるい。しかも臭い。やっぱり快適じゃない。
そうこうしてるうちに後輩軍団が到着。かみさんが乗ってなかった方の車は事情が分からずびっくりしてる。バイク乗りってそういうことだ、覚えとけ。
久々に会う後輩とご挨拶。オメデタな娘とか結婚を控えた奴とかが結構居てみんなにおめでとうと言って回る。
なんで知ってんすカー?
そら、昨日からかみさんから速報メールが逐一入っとるでよ。夫婦ってそういうことだ、覚えとけ。
で、すぐお別れ。かみさんはそのまま滋賀への出張に直行なので名古屋へ返る後輩の車へ。沼津方面は混んでるよと情報提供して、芦ノ湖スカイライン経由で裾野方面へ。その他の後輩はターンパイク経由で東京方面へ。え、新潟まで帰るの?手後れだと思うぞー。まあがんばれ。
わしはそのまま小田厚−東名・鬼のすり抜けで19:00に家へ。途中で、どんくさいBMWに詰まってロスしてもた。すり抜けする奴ぁ、ちゃんと後ろ見れ。みんな目ぇ三角にして前ばっかみてるけど、もっと速い奴が来てたらすこぶる迷惑じゃんね。
ああ、走った走った。でも2日で800kmくらい。大した距離じゃなかったんだな。でも冬眠明けのリハビリにしてはちょいとスパルタンハードじゃったなり。
ITOH Osamu/
Sachi/
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